2025.10.23
解体大学

【イベントレポート】解体大学サマーキャンパスin根津 大盛況のうちに閉幕

今回は、2025年8月30日(土)に行われた「解体大学サマーキャンパスin根津」の模様をお伝えします。

解体大学とは?

建物や概念を紐解き、再構築することで、新たな地域共生の文化や取り組みを創造する―

地域共創デザインの勉強会として始まった解体大学は、第1回から第3回まではオンライン配信で実施されましたが、今回は初の対面開催での実施となりました。

開催場所は、弊社がサポートする東京の下町・根津にある飲食店「まちの学び舎 ねづくりや」です。

当日の東京は38.5℃に達し、会場内も外気に負けないほどの熱気に満ち溢れていました。

今回のプログラムは、大学の夏の集中講義をモチーフに盛りだくさんの内容でお届けしました!

【Keynote】

Keynoteでは弊社鶴元より、解体は単なる破壊ではなく、未来を創造するプロセスであることをご紹介しました。今回の会場でもあるねづくりやは、文京区根津にあります。下町・根津に空き家が多い現状から、とある空き家がシェアハウス〜空き地〜新築マンションのテナントスペースへと変化しねづくりやになった経緯を紹介。解体には価値の再発見や新たな活用の可能性があり、地域の営みを創造する起点となることを説明しました。

【ケーススタディ】

ケーススタディでは、弊社が過去に開催した解体祭の関連団体である社団法人染の里おちあいより高市洋子様、医療法人弘仁会板倉病院より城築絵理様にお話をいただきました。

染の里おちあい様は、弊社主催の第2回解体祭「落合ホームズ解体祭 ~見える、過去と未来~」にて、藍のくるみボタン染めワークショップを実施していただきました。そのご縁から現在、旧落合ホームズ解体後の新築マンションにて、解体時に伐採した桜の木をアップサイクルしたアート作品を納品させていただく予定です。染物を利用したアップサイクルや文化継承の可能性についてお話をいただきました。

医療法人弘仁会板倉病院様は、弊社と第3回解体祭「ロータスケアセンター解体祭 〜まちと繋がる「はじまりの物語」〜」を共催いただきました。板倉病院として取り組んでこられた地域コミュニティの活用から、解体祭開催の背景、当日の様子をご紹介いただきました。解体祭を実施することで、参加者の方のコミュニティを病院が支えたり、参加者だけでなく職員の交流が促進されたり、高齢者は社会の財産であることを地域の皆様と再認識する機会となったりと、多くのメリットをお話しいただきました。

【特別講義】

特別講義と題し、地域活動を精力的に実施されている医療法人久仁会宇都宮病院より宇都宮越子様、弊社と共同研究を実施している東京大学生産技術研究所の林憲吾准教授にお話をいただきました。

医療法人久仁会宇都宮病院様は、和歌山県和歌山市で運営される病院です。高齢化が進む中、同院は地域密着型の病院として健康とコミュニティを支援する施設「なるコミ」を開設しました。「なるコミ」では、外来食堂では和歌山薬膳ランチを提供しているほか、医療介護福祉相談室やキッズルームを設け、交流会や勉強会が行われるなど、地域の貴重な憩いの場として利用されています。

「なるコミ」で日々開催されている体操やヨガなどの教室や、薬膳ランチ、地域を巻き込んだお祭りの様子をご紹介いただきました。地域密着型として活動することで病院経営全体がより良くなっていったというお話に、参加者の皆様は真剣な眼差しで聞き入っておりました。

東京大学生産技術研究所 林憲吾准教授には、弊社主催の第1回解体祭「Daiwa御成門ビル解体祭 ~アートとテクノで最後のおもてなし~」から現在に至るまでご協力いただいております。今回の解体大学では、解体祭でのメインコンテンツ・テーマの一つでもある「テクノ」の部分に焦点を当て、弊社と共同研究中である新技術についての生産の難しさについてお話しいただきました。また、ご自身の専門でもある建築史について、ご経験と共にご紹介いただきながら、建物を解体することの意義についてもお話しいただきました。

建物の設計を考える際、一般的には更地の上に計画し、その建物が終わりを迎える時に解体というものが出てきます。「解体はおわりではなく、はじまり」というのは、この建築の起点を前に戻し、壊し方から考えることを提唱する目的があります。

各ケーススタディ・講義後の質疑応答では、参加者の皆様からは「どうすれば地域を巻き込めるのか」といった質問が熱心に寄せられ、各取り組みの工夫について活発な議論が交わされました。

【ワークショップ】

「解体祭だれでも企画会議」と題し、弊社主催のワークショップを開催しました。

ワークショップでは、参加者の皆様同士でグループに分かれていただき、グループごとのお題に沿って解体祭のプログラムを検討いただきました。

それぞれのグループに「建物」「開催時期」と解体祭の過去のプログラム例を中心としたメニュー表を配布。グループ内で話し合い、イベントのプログラム構成を検討いただきました。やってみたいプログラムからテーマを決めるグループもあれば、先にコンセプト方針を固めてプログラムを選ぶグループも。参加者の皆様は当日初めてお会いした方が多かったと思いますが、議論はどのグループも白熱し、短時間とは思えないほどクリエイティブなテーマ・プログラムを考案いただきました!

解体大学初の対面イベントでしたが、参加者の皆様の活気と熱意に包まれ大盛況のうちに終了しました。
ご来場いただきました皆様には、暑い中でのご来場や長時間にわたるご参加に感謝申し上げます。

株式会社都市テクノでは「解体は終わりではなく、はじまり」を掲げ、今後も解体大学や地域活性化・街づくりに関わる事業に取り組んでまいります。ご期待ください。

当日のプログラムはこちら

主催:

株式会社都市テクノ https://toshitechno.co.jp/
 解体祭      https://kaitaisai.toshitechno.co.jp/
株式会社ライブライフ https://livelifewl.co.jp/
一般社団法人 病院マーケティングサミットJAPAN https://hospital-marketing.jp/

会場:

まちの学び舎 ねづくりや https://nezukuriya.com/

ゲストスピーカー:
一般社団法人 染の里おちあい https://www.ochiai-san.com/
医療法人久仁会 宇都宮病院 https://www.utsunomiya-hospital.com/
医療法人弘仁会 板倉病院 https://www.itakura.or.jp/index.html
東京大学生産技術研究所 林憲吾研究室 https://hayalab.iis.u-tokyo.ac.jp/

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